2025年10月16日 09:53

入間市(埼玉県)は、食育推進の新たな一手として、市内セブン-イレブンで「やさいどり」POPの掲示を10月1日からスタートした。
狙いは明確。朝食に副菜をほとんど食べない市民31.8%という、令和4年度の市民健康実態調査で明らかになった現実を変えること。国で毎年行っている、国民健康・栄養調査(令和5年度)では、20歳以上の野菜摂取量は平均256.0g/日で、特に男性は直近10年間で有意に減少。20代が最も少なく、若年層ほど野菜離れが進んでいる。入間市の取り組みは、この全国的な課題に対する地方自治体からの逆襲とも言える。
従来の行政アプローチは、すでに健康意識の高い層には届いても、本当に届けたい「健康無関心層」にはスルーされがち。そこで入間市が目をつけたのが、市民が日常的に訪れるコンビニという空間。おにぎりやパンを手に取る、その瞬間に「あと一品、副菜も」というメッセージを届ける戦略だ。セブン-イレブン・ジャパンとの包括連携協定(2月締結)を活かし、POPには市公式HPの簡単野菜レシピへ誘導するQRコードも掲載。カット野菜や総菜を活用した、管理栄養士考案の「パパっと」作れるレシピを紹介している。
入間市はこの取り組みを皮切りに、SNSで食に関する投稿や、レシピコンテストを開催し、受賞レシピを様々な場面で活用していく等の継続的な食育エコシステムの構築を視野に入れている。さらに他のコンビニチェーンや企業との連携も模索中だ。
期間は10月1日〜31日。場所は、入間市内セブン-イレブン店舗。