2025年10月15日 09:36

レゾナックは、川崎区扇町の川崎事業所で進める、水素と都市ガスを燃料とする新しい発電設備「水素混焼ガスタービン」の導入事業について、10月7日付で経済産業省から国の支援制度に採択されたことを受け、設備の新設を決定した。
川崎市は、臨海部コンビナートの2050カーボンニュートラル化に向けて、立地企業等と連携した取組を進めている。本事業は、GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債を活用した政府の支援事業「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業」によって後押しされるもので、環境負荷を低減するエネルギーへの切り替えを促進する取り組みだ。
レゾナック川崎事業所では現在、石油から作られる燃料「石油コークス」を使った自家発電設備(ボイラ・タービン)を2系統有しているが、そのうち1系統を廃止し、水素と都市ガスを混ぜて燃やすガスタービンに更新。2030年の第1四半期からの運転開始を目指している。この取り組みにより、工場で使用する電力の二酸化炭素排出量が大幅に削減され、環境性能が求められる製品の競争力向上にもつながる。また、今後の水素エネルギーの流通網(サプライチェーン)づくりにおいても、重要な役割を果たすと期待されている。
川崎市は、こうした先進的な取り組みがさらに広がるよう、「川崎カーボンニュートラルコンビナート形成推進協議会」を通じて企業間の連携を支援し、今後も、関係企業等とともに、川崎臨海部のカーボンニュートラル化と産業競争力強化の両立に積極的に取り組んでいく。