2023年09月26日 15:52

鹿島は、建築工事に不可欠な墨出し作業を、全自動かつ高精度に行うロボットプリンター「ロボプリン」を開発した。
墨出し作業は、各作業の開始前に完了している必要があるため、夜間や早朝などに行われることも多く、墨出し工の負担となっている。さらに、昨今の技能労働者数の減少と建設需要の高まりにより墨出し工が不足していることから、墨出し作業のロボット化が求められていた。
ロボプリンは、施工図面データを基に、基準点に設置した自動追尾トータルステーションにより高速制御することで、高精度(計測値±約1mm以内)に実寸大の連続線や文字を床面にプリントできる。車輪には全方位移動型車輪オムニホイールを採用しており、スムーズな移動が可能。操作はブラウザ上で行うため、スマートフォンやタブレットなどのデバイス機器で操作可能。特別な装置は不要で、一般的なトータルステーションと連携することができるため、容易に導入できる。
ロボプリン本体は、直径350mm、重さ15kg程度と小型・軽量で、付属品を含め専用キャリーケース一つに格納できる。現場間の移動のほか、現場内における階をまたぐ移動も容易。
現場への導入を進めるにあたり、「ロボプリン」を同社機械技術センターで実証した結果、墨出し作業の生産性を約2倍に向上できることが確認できた。これを受け、同社の複数の建築現場への導入を始めた。