2023年09月12日 12:22

三菱電機、岡山大学、大阪大学は、1kHz以下の低周波でもヒトの脳サイズの領域の磁気粒子を高感度に撮像できる「磁気粒子イメージング装置」を世界で初めて開発した。
今年8月、アルツハイマー病の発症要因となり得る脳内に蓄積したアミロイドβを除去し、病状の進行を抑制する治療薬の製造販売承認が、厚生労働省の専門部会で了承された。脳内のアミロイドβの蓄積が少ない段階で早期に投薬治療を開始することが発症抑制に繋がることから、アミロイドβの蓄積量や分布を測定する技術が求められている。
本装置は、コイルが発する交流磁場により、体内に注入した磁気粒子の磁気信号を誘起し、これを検出することで、3次元画像を生成する。同等の周波数を用いて、ヒトの脳サイズの領域を撮像可能な大きさに装置を大型化した場合、コイルが大きくなることで負荷が上がり、必要な電源容量が増大。そのため、電源装置が非常に大型になることが実用化を妨げる要因の一つとなっていた。
今回、三菱電機がさまざまな機器開発で培ってきた電磁気学技術を深化。1kHz以下の低周波でもヒトの脳サイズの領域の磁気粒子を高感度に撮像でき、電源装置の大型化を抑えた「磁気粒子イメージング装置」を世界で初めて開発した。本装置を用いて、アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβに結合する磁気粒子を撮像することで、アミロイドβの蓄積量とその分布を測定。アルツハイマー病発症前の画像検査の実現を目指す。詳しくはこちら。