2021年06月17日 17:20

「大原富枝文学館」開館30周年を記念して、富枝とその文学作品にも登場する愛犬を、俳優でイラストレーター、脚本家として活躍中の角田貴志さんがキャラクター化した。キャラクター化されたのは、柴犬の三郎、コッカースパニエルのラディ、ルカの3匹。キャラクターたちは、館内のあちこちに展示されているほか、新コンセプトのポスターやリーフレット、グッズにも登場する。
「戦後最大の女流作家」と言われた大原富枝は、大正元年(1912)高知県本山町に生まれる。青春時代に結核を患い、約10年間の療養生活を経て作家として活動。自身の人生と歴史上実在する野中婉の人生を重ね合わせて描いた代表作「婉という女」は、国内だけでなく、英語訳、ロシア語訳、ポーランド語訳され、映画化もされた。
大原富枝の生涯と文学を語る上で、3匹の愛犬を切り離すことはできない。特に3代目の愛犬である三郎は、作品の中にも登場する。愛犬への愛情をエッセイのようにつづった「三郎物語」(1976)や、老いた三郎が山で失踪したまま見つからなかった記録として「山霊への恋文」を刊行。子供のいない富枝にとって愛犬は家族以上の存在であり、書くときもいつも一緒だったという。
このたび、その3匹の愛犬たちをモチーフにキャラクター化し、文学館のポスターやパンフレットもリニューアルすることとなった。オリジナルグッズは、文学館にて6月22日より販売開始する。