2020年04月27日 16:31

HACARUSは、京都大学大学院医学研究科婦人科学・産科学教室と「子宮頸がんの予防・早期診断AI支援システム」について共同研究契約を締結した。

HACARUSは2014年1月に設立された京都のAIベンチャー。京都大学大学院医学研究科婦人科学・産科学教室は、
1899年に京都帝国大学医科大学が開設され、婦人科学・産科学教室(同教室)が創設、2019年で120周年を迎えた。同教室は婦人科がんと深くかかわってきた歴史がある。

子宮頸がんは婦人科悪性腫瘍のなかでは最も多く、日本国内だけでも毎年約1万人以上が罹患し、約3000人が命を落としている。さらに、子宮頸がんに至る前の前がん状態である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)は、性生活の変化に伴い20代後半~30代と若い年代では爆発的に増加。一方で、子宮頸がん検診の日本国内における受診率は、欧米諸国と比較しても明らかに低い状況にある。また、一次検診で異常が指摘された場合に必要となる精密検査が可能な施設は婦人科医師の不足に伴い減少している。

このような背景を受け、HACARUSと京都大学は、「高画質で診断精度の高いコルポスコピー動画を教師データとして用いたAIモデルを構築すること」、「日本国内の診断、治療基準に沿った診断支援AIシステムを開発すること」、「専門医の常駐しない施設において、AIによる精度の高い病変同定や組織採取の診断補助を可能とすること」を目的とした共同研究を実施する。今回の共同研究の成果は、論文および関連学会や展示会を通じて啓蒙を行う。今後は本格的な製品開発に繋げ、国内外問わず販売チャネルの構築を目指す。

HACARUS