2020年03月16日 11:12

代官山 蔦屋書店は、3月10日~31日の期間、熊乃屋阿野みやげ店の木彫り熊を集めたフェア「熊乃屋阿野みやげ店 ~北海道民芸と木彫り熊~」(主催:T-SITE)を開催する。
北海道の木彫り熊は、昭和30~50年頃に北海道観光ブームとともに土産物として大量に製造・販売され、そのなかで多くの職人も生まれてきた。しかし、時代の流れや生活様式の変化とともに土産物としての需要が減り、技術の継承も十分になされないまま職人の高齢化などによって、木彫り熊の製造は消滅しつつある。
そんな状況のなか、木彫り熊の価値やイメージが単なる土産物から少しずつ変わりはじめている。アイヌ文化の伝承・保全活動の盛り上がりや「八雲町木彫り熊資料館」の開館、アイヌの熊彫り職人・彫刻家である藤戸竹喜さんの日本各地での展覧会、また東京903会「熊彫図鑑」(プレコグ・スタヂオ)の刊行に合わせた貴重な木彫り熊の展示など、広い世代から新たな関心を集めている。
熊乃屋阿野みやげ店は、北海道支笏洞爺国立公園内にある昭和新山にて北海道民芸を扱う土産店。現在は二代目店主の妻と娘が引き継ぐ形で北海道民芸の木彫り熊が残り続けるようにと土産店を営んでいる。今回のフェアでは鮭を咥えた荒々しい姿の木彫り熊以外にも、土産物としてのチープなものから彫刻として巧みなものまで、その幅の広さや面白さといった木彫り熊の魅力を紹介する。
場所は、代官山 蔦屋書店2号館1階 ギャラリースペース(東京都渋谷区猿楽町17-5)。会期は、3月10日~31日まで。