2025年10月09日 12:56

前田工繊は、海洋ごみ対策製品としてカキ養殖筏用「耐候性フロートカバー」を開発した。
カキ生産量日本一の広島県では、30万個以上の発泡スチロールフロートが養殖筏に取り付けられ使用されており、発泡スチロールフロートの劣化・流出は、海洋ごみの観点から広島県において重要な問題となっている。発泡スチロールフロートの劣化・流出の原因はさまざまあるが、同社は劣化によるフロートの流出を防ぐことを目的に、従来品とは異なる強化生地を用いて耐久性を高めたカキ養殖筏用「耐候性フロートカバー」を新たに開発した。
同社は土木工事用に長期仮設(3年)対応の耐候性大型土のう「ツートンバッグ」の製造・販売を行っている。これは3年間の仮設工事後であっても、安全に吊り上げ・撤去することが可能な大型土のうで、耐候性フロートカバーにはこの耐候性大型土のうの生地を使用した。プラスチック製品の一番の劣化要因である紫外線に対し高い耐久性を有することが確認されている。耐候性大型土のうの生地は従来品フロートカバーに比べて厚く、フロート本体にフィットしにくい素材であったため、寸法や部品パーツ、口絞り方法の工夫により、従来品と同等のフィット感を実現した。
現在、瀬戸内オーシャンズXと広島県漁業協同組合連合会は耐候性フロートカバーを取り付けたフロート1000本(カキ筏30台相当)を沖合海域にある筏に設置し、大規模使用モニタリングを開始している。