2025年09月19日 09:54

三菱電機とフランス国立デジタル科学技術研究所(Inria)は、信頼性の高いAIシステムの実現に向けた共同研究プロジェクト「FRAIME」を開始する。

本プロジェクトは、Inriaの「DÉFI」と呼ばれる大規模な産学連携プログラムの一環として実施されるもので、数学的アプローチであるフォーマルメソッド技術とAI技術との融合により、AIの信頼性を保証する技術開発に取り組み、次世代AI技術の確立を目指す。

AIが急速に発展し世界的に普及が進む中、AIシステムを開発・提供する事業者にはリスクを適切に管理することが求められている。特に、インフラシステムやサイバーセキュリティーシステムなどの安全性が重視されるシステムは、誤作動時に発生する損害が大きいため、AIの出力結果に対する信頼性の保証が非常に重要だ。通常、AIの信頼性評価には、出力結果を漏れなくテストする網羅検証が用いられるが、莫大な時間やコストを要するという課題がある。

三菱電機の欧州現地法人、三菱電機R&Dセンター・ヨーロッパ(MERCE)とInriaは、2015年よりフォーマルメソッドを活用した高度な検証技術の共同研究に取り組んできた。本プロジェクトでは、長年にわたって培ってきた実績を基盤に、MERCEとInriaの知見を活かし、フォーマルメソッド技術と大規模言語モデルなどのAI技術とを組み合わせることで、AIの出力結果の正確性を理論的に検証する技術を開発する。この先進的な取り組みにより、信頼性が求められるAIシステムの適用範囲をさらに拡大することを目指す。