2025年05月27日 15:53

早稲田大学は、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)との共同連携事業である柳井イニシアティブの取り組みとして、日本文化の魅力を海外に発信している。このたび、昨年好評を博した英語能「青い月のメンフィス(Blue Moon Over Memphis)」を再演。さらに、英語能「オッペンハイマー(Oppenheimer)」を、8月6日~9日にかけて、大規模改修を終えた新しい喜多能楽堂にて上演する。

「青い月のメンフィス」は、アメリカ人の劇作家Deborah Brevoortさんが、日本の伝統芸能である能に着想を得て、エルヴィス・プレスリーを題材に1993年に執筆した作品。エルヴィスの命日に聖地となる墓を訪ねた熱心なファンのジュディが、誘い入れられるまま青い月の光の下、エルヴィスの亡霊に出会う。

デニム素材を使用した衣装やエルヴィスをモデルにした能面を使用し、夢幻能の様式に基づきながらも謡にエルヴィスのヒットナンバーを巧みに織り込むなど、英語能というジャンルの可能性を高く評価された。

一方「オッペンハイマー」は、シドニー大学のAllan Marettさんが2015年に書き下ろした作品。原子爆弾開発の「マンハッタン計画」を主導したロバート・オッペンハイマーの罪と悔悟を禅の公案集「無門関」の第二則「百丈野狐」に重ねて描く意欲作。戦後80年という節目を迎え、作品の意図をより深く伝えるために、あえて広島と長崎への原爆投下の平和祈念日に上演する。