2024年06月07日 15:29

クオンティニュアムは6月5日、同社の量子コンピュータ「H2-1」の大幅なアップグレードを実施。新たに業界で初めて56量子ビットを搭載したイオントラップ量子コンピュータとしての運用を発表した。
クオンティニュアムとJPモルガン・チェースの共同チームは、ランダム回路サンプリング(RCS)アルゴリズムを実行。2019年にGoogleが発表した先行結果を100倍上回る驚くべき結果を達成し、クロスエントロピーベンチマークの世界新記録を樹立した。全結合56量子ビットと高い忠実度を備えたH2-1は、今日の最も強力なスーパーコンピュータや他の量子コンピューティング・アーキテクチャですらもこの結果に匹敵することを困難にしている。
クオンティニュアムの分析によると、H2-1で56量子ビットを用いRCSを実行した場合、従来のスーパーコンピュータで実行した場合と比較して消費電力を3万分の1に削減。今後、さまざまな計算課題に適したソリューションとなる可能性を示している。
Marco Pistoia (JPモルガン・チェースグローバル・テクノロジー応用研究責任者)は、「我々のランダム回路サンプリング実験で達成された忠実度は、クオンティニュアム量子コンピュータの前例のないシステムレベルの性能を示している。私たちは、この高い忠実度を活用し、幅広い産業ユースケース、特に金融ユースケースのための量子アルゴリズムの分野を発展させることを楽しみにしています」と述べた。