2025年05月07日 12:47

奥村組とケミカル工事は、同社が開発した「リ・バースコンクリート」を車両架装式の移動式コンクリートプラント(モービル車)で製造する実証試験を実施した。

解体現場等で発生するコンクリートがらは、99%以上が再生砕石などに再資源化されている。しかし、再生砕石の主な用途である盛土や道路の新設工事は減少傾向にあり、一部の地域ではコンクリートがらの受け入れが停止されているケースも見受けられる。こうした状況において「リ・バースコンクリート」は有用であるものの、「リ・バースコンクリート」専用の製造装置「リ・バース号」はクラッシャーを併設した固定型のバッチ式プラントであり、現場内に設置スペースを広く確保する必要があるという課題があった。

実証試験では、小割したコンクリートがらをクラッシャーで40㎜以下に破砕したうえでモービル車に投入し、練混水、セメント、細骨材等を加えることで、リ・バースコンクリートを製造。その後、骨材粒度分布の計測など、フレッシュ性状および硬化後の物性に関する試験を実施した。実証試験の結果、フレッシュ性状試験の結果、従来のリ・バースコンクリートと同等の性状であることを確認。また、圧縮試験および乾燥収縮試験の結果についても、同等の強度ならびに乾燥収縮量であることを確認した。

今後の展望としては、本技術に加え、発生したコンクリートがらに回収したCO2を吸着させるCCS技術の開発も現在進めており、新たな再生コンクリート技術の開発により、さらなるカーボンニュートラルへの貢献を目指す。

奥村組 / ケミカル工事