2023年11月01日 19:30

浜松ホトニクスは、独自のMEMS技術や光半導体素子の製造技術を応用し、UVに高い感度を持つ小型・低価格の「ミニ分光器マイクロシリーズ C16767MA」を開発した。
同社はミニ分光器マイクロシリーズをラインアップしているが、分光器を構成するイメージセンサにUVが入射すると感度が劣化してしまうため、現在は可視光による分光分析に応用されている。今回、イメージセンサの受光部の構造を工夫することでUV耐性を高めるとともに、分光器を構成する回折格子の形状をUVに最適化。また、独自の光半導体素子の製造技術により、UVの分光時に生じる迷光の入射を抑えるフィルタをイメージセンサ上に形成した。
この結果、高感度・小型・低価格で190~440 nmの波長の光に感度を持つミニ分光器マイクロシリーズの開発に成功した。本製品は、UVに対応した指先サイズの分光器で、それぞれの光の強さを同時に測定可能。本製品を組み込んだ小型の水質検査装置を河川・湖・海などに設置することで、吸光光度法を用いて、複数種類の水中の汚染物質の含有量を検査することができる。また、安価な水質検査装置を実現し、多くの測定現場に多数設置し水質をモニタリングすることで、より広い範囲において水質評価の精度を高めることができる。
本製品は、11月15日より、国内外の環境計測装置メーカーに向けサンプル受注を開始する。製品価格は5万4700円(税込)。