2023年10月13日 19:12

ネクスティ エレクトロニクスは、小型の空冷式水素燃料電池を搭載した水上ゴミ回収ドローンを9月に開発した。
ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループのエレクトロニクス事業の中核企業として、カーエレクトロニクスの分野においてトップクラスの規模を誇る。CO2排出量削減の機運が高まるなか、水素はCO2を排出しないクリーンなエネルギー源として注目度が高まっている。一方、小型の空冷式水素燃料電池については、市場に導入されて間もない段階にあることから、活用を推進する上で認知度の向上と市場規模の拡大が重要になっている。ネクスティ エレクトロニクスは、環境への負荷軽減および長時間稼働の実現に着目し、水素燃料電池のさまざまな用途への活用について検討を重ね、今回、水素を動力とする水上ゴミ回収ドローンを開発した。
開発にあたり、水素燃料電池と他の機器における技術的な動作整合が必要となった。そこでセミカスタムが容易であり、ネクスティ エレクトロニクスが代理店を務めるSpectronik社の水素燃料電池(Protiumシリーズ)を使用し、開発を進めた結果、リチウムイオンバッテリーを用いた水上ドローンと比較して、航続距離を2倍に延ばすことに成功した。水上のゴミ拾い用として開発されたこのドローンは、1回の水素充填で約4~16時間の稼働を想定している。なお、今回開発した水上ゴミ回収ドローンは、10月17日~20日に幕張メッセで開催される「CEATEC 2023」の同社ブースにて展示する予定だ。