2023年10月04日 19:01

浜松ホトニクスは、従来と同等の小型サイズながら、感度を約5倍まで高めたレンズ付きフォトンカウンティングヘッド「H10682-110W」を開発した。

今回、自由曲面を用いた光学設計技術を応用するとともに、同分野において高い技術力を持つブリュッセル自由大学と協力。特殊な形状の内部全反射型レンズを新たに開発した。一般的なレンズは入射した光の屈折を利用し、集光するが、新開発のレンズは入射した光の屈折・反射・全反射を利用し集光。また、レンズ中央部と周辺部とで別の光路による集光が可能であり、これらにより薄型ながらも高い効率で集光することができる。

さらに、検出効率を高めるため、PMTの形状や特性に合わせてレンズの形状を最適化。新開発のレンズは、平行光のみならず集光が難しい拡散光に対しても高い集光効果を発揮する。この結果、従来と同等のサイズながら感度を約5倍まで高めたレンズ付きフォトンカウンティングヘッドの開発に成功した。

本製品の用途の一つとして、小型の検体検査装置に組み込むことで、装置の感度を高めることができる。これにより、受診者から採取する血液をはじめとする検体の量を減らしながらも、従来と同等の精度で測定することができ、受診者の負担を軽減。測定時間の短縮も見込まれることから、医療従事者の負担軽減も期待できる。

製品価格15万6200円(税込)。11月1日より、国内外の検体検査装置メーカーをはじめ、極微弱な光を利用するさまざまな装置に向け販売を開始する。