2023年10月02日 13:03

産業技術総合研究所(産総研)は、10月1日、新たに先端半導体研究センター(SFRC)を設立した。

半導体は、私たちの生活のさまざまな場面で活用され、社会課題の解決や産業競争力強化になくてはならない存在だ。経済安全保障の観点からも、半導体の重要性が増している。産総研は、これまでも、「次世代コンピューティング基盤戦略」(2022年6月)を策定するとともに、戦略の目標実現に向けた研究開発を行ってきたが、今回、これらの活動を加速し、日本に先端半導体技術を確保することを目標に、同研究センターを設置する。

同研究センターの特徴は、研究開発、共用パイロットラインの構築、社会実装、人材育成を一貫して推進することにある。特に研究開発においては、「2nm世代で実用化されるゲートオールアラウンド(GAA)構造の電界効果トランジスタ(FET)の基盤技術と先端構造技術の確立」「2nm世代以降に向けた極限デバイス・材料開発」「微細化によらずに性能を向上する3次元集積技術」「最先端システムオンチップ(SoC)設計」「半導体製造の環境負荷評価およびグリーン化」の5つの課題に重点的に取り組む予定だ。これらの開発には、共用設備であるスーパークリーンルーム(SCR)や未踏デバイス試作共用拠点(COLOMODE)、AIチップ設計拠点を主に活用する。これらの設備において、研究開発と試作サービス提供、人材育成を一体として実施することにより、先端半導体のオープンイノベーションを推進する中核拠点となることを目指す。

産業技術総合研究所