2023年09月22日 15:34

北九州高専発ロボットスタートアップ、キックロボティクスは、通い箱(プラスチックコンテナ)をハンドリングするロボット用ソフトハンド(柔軟指)を開発した。

この柔軟指は、ラティス構造と呼ばれる立体の格子構造で構成されており、3Dプリンタでしか造形できない複雑形状をしている。この構造によって耐久性をそのままに「やわらかさ」を実現し、複雑な箱の形状にならい安定した把持が可能となる。

通い箱は規格によってその形状は様々で、とくにリブと呼ばれる突起があるため、これまではこれらを避けて把持する必要があった。突起部分を把持してしまうと、接触部分が「点」となってしまい、力がかかりすぎて箱が割れてしまう、しっかりつかめず滑り落ちてしまうことがある。ラティス構造柔軟指は構造によって変形を適切に調整できるので、把持方向に対して大きく変形。それにより、箱のリブ等の形状にならい重力方向に対してはあまり変形せず垂れによる脱落を防ぐことが可能。

通い箱の荷積み・荷下ろしを自動化するロボットでの活用に向け、トヨタ自動車モノづくりエンジニアリング部での評価をスタート。様々な規格・形状の通い箱が混載されている状況下では、「箱を安定して把持できない」ことや「箱が割れてしまう」ことがあり自動化が困難だった。これを解決するためにラティス構造の柔軟指が使用されている。