2023年09月14日 19:00

鹿島は、上下動を含む3次元の地震動をリアルに再現できる体感用振動台「トライデッカー」を開発し、技術研究所西調布実験場で運用を開始した。

将来の大規模な地震発生に備え、建物で生活する人々の安全・安心を確保するため、地震対策は不可欠。一方、建物の地震対策は用途や規模によって多岐に渡り、導入コストも異なる。そのため、顧客との合意形成において、「直下型地震」や「長周期地震動」などが建物にどれだけの揺れを生じさせるか。また、その揺れに対して制震および免震構造を採用することでどれほどの低減効果が得られるのかを、リアルに体感できる装置が求められていた。

「トライデッカー」は、水平2方向のみならず、直下型地震など上下方向の突き上げを含む地震動を再現することが可能。このため、1995年兵庫県南部地震や、2004年新潟県中越地震、2011年東北地方太平洋沖地震など、国内で発生した様々な大地震による揺れを忠実に再現できる。また、制震および免震構造を採用した場合の揺れの違いを再現することも可能。

また「トライデッカー」は最大3名が同時に搭乗でき、搭乗者はヘッドマウントディスプレイで360°VR動画を見ながら地震動を体感することで、より没入感の高い体感を得ることができる。さらに、以前開発した持ち運びできる振動台「ポータ震」(ポータブル)についても今回機能を向上させ、「ポータ震II」として供用を開始した。