2023年09月13日 19:02

セルソースは9月13日開催の取締役会にて、医療機関にて採卵・凍結された卵子の長期保管を同社が受託する卵子凍結保管受託サービス(セルソース卵子凍結バンクサービス)の開始について決議した。本サービスは、産科婦人科の医療機関が採取し凍結した卵子を預かり、最適な環境下で長期間の保管を行うサービスで、将来の妊娠を見据えて、凍結された受精前の卵子を保管することが目的。

同社は、再生医療等に用いられる自家血液由来サイトカイン「PFC-FD(TM)」、自家脂肪幹細胞、自家滑膜幹細胞の加工を医療機関から受託するサービスを行っている。整形外科、形成外科領域を中心にサービスを展開してきたが、2020年から産科婦人科領域での事業開始を決定。不妊治療を目的とした血液由来加工受託サービスの開始、学術機関との卵巣機能不全の改善に関する共同研究の実施など、同領域における生殖補助医療に関わる分野に取り組んできた。

これらの取り組みを進めるなかで、将来の妊娠を見据えた選択肢への需要が見込まれたこと。また、少子化社会対策の一環として行政からの支援が本格化していくことなどの社会的背景を踏まえ、本サービスの開始を決定した。

日本受精着床学会のアンケート実施結果の報告によると、2021年に日本で実施されたメディカル卵子凍結実施数は349件、ノンメディカル卵子凍結実施数は1398件だった。ノンメディカル卵子凍結に関してもニーズが顕在化し始めており、今後、一層の拡大が見込まれる。