2023年09月05日 12:20

AI・ディープラーニング技術のコンサルティングと開発を行う「Ridge-i(リッジアイ)」は、北海道大学動物医療センターと共同で、猫の胸部X線画像から骨を高精度に除去するAI技術の開発に成功した。

共同研究チームは、X線画像以外の医療画像を適切にX線画像と融合することで、「骨なしのX線画像」が欠如している状況でも、骨除去を行う機械学習モデルの開発に成功。この技術により、獣医師がX線画像の読影を行う際に、骨以外の組織や病変に焦点を当てやすくなる。これは、獣医師の診断精度を向上させることにつながり、さらに、より早期の病気発見や治療に寄与することができる。特に胸部X線からの骨除去は、心臓疾患や呼吸器系の疾患など、様々な病状の診断に重要な役割を果たすことが期待される。

獣医師は人間の医者とは異なり、様々な専門領域にまたがって、多岐にわたる医療行為を一人で行う必要がある。しかし、X線画像の読影という専門的なスキルについて言えば、全ての獣医師が豊富な経験を持つわけではない。そのため、動物のX線画像から骨を除去するという技術は、獣医師の診断を助ける有用な手段となる。

リッジアイと北大動物医療センターは、今後もこの技術のさらなる研究と開発を進めていく。これまで、猫の正面図のX線画像の骨除去技術の開発に成功。今後、猫の側面図への適用、さらには他の動物への適用も視野に入れ開発を継続し、本技術をより広範な状況で活用できるようにする予定。