2022年02月17日 19:00

作物生産に係わる技術開発普及啓発に顕著な業績を上げたとして、農研機構東北農業研究センターらは、第12回(2022年)日本作物学会技術賞を受賞した。このたび受賞した業績は、日本作物学会での「寒冷地における耐倒伏性品種を用いた水稲無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種技術の開発」。
本技術は国内の主要稲作地帯である東北などの寒冷地において、従来必要としていた種子コーティングが不要となる直播技術。代かきと同時に播種可能なことから、資材コスト、人件費、作業時間を大幅に削減することが可能。慣行の移植以上の売上と利益を上げることが可能な技術となっている。
本技術を体系化し製品化したものが、無コーティング代かき同時播種機として石井製作所より2018年より販売されている。本機は、代かき後の田面の極浅い土中に播種することを目的に、代かき用ハローに装着する播種ユニットと鎮圧ローラーからなる直播機。本機を用いることにより,約0.5cm 深の極浅い土中播種が可能で、コーティングしなくても鉄コーティングと同程度の苗立率が得られる。同時に、浮き苗や出芽前の鳥害の軽減が可能となった。
今後は寒冷地を中心として本技術・機械普及を本格化し、多くの農家の省力化や省人化の手助けとなるように努めるとしている。無コーティング代搔き同時播種マニュアルはこちら。