2021年04月14日 17:46

シマダグループが運営する酒蔵「吉川醸造」は、新ブランド「雨降(AFURI)」の発表を記念して、「かすみさけ」「山廃純米」などの日本酒を、4月17日より数量限定で発売する。

神奈川県の北西部に位置する丹沢大山は、水の良さとその豊富さで知られている。周辺が晴れていても山頂には雨が降っていたことから「雨降山(あふりやま)」と呼ばれ、古来「雨乞い」信仰の中心地となってきた。また国内屈指のパワースポットとしても名高い大山阿夫利(あふり)神社は、酒造に縁が深い。そこで丹沢大山(雨降山)のふもとにあり、その地下伏流水を仕込み水として使用する酒蔵の新ブランドを「雨降」と命名。アフターコロナの世界の「渇き」を癒す、慈雨のような存在の酒に育って欲しいという願いも込められている。

発売される雨降ブランドの3種は、いずれも精米歩合90%という共通項を持つ日本酒。日本酒造りにおいて、米の表層部分にはたんぱく質や脂質、でんぷんなど重要な栄養素が含まれているが、これらの栄養素が多すぎると、雑味が残りやすく、酒の香りも消されてしまいがちだという。したがって現在の日本酒造りにおいては、米の表面を相当量削る(大吟醸では米の50%以上と規定)ことが一般的。

そんななか、「雨降」ブランド初の酒として、日本酒では異例とも言える精米歩合90%にチャレンジ。杜氏の精妙な技巧と硬水との相性が相まって、味わいは深く香りは高く、それでいて専門家の誰もが驚くほど雑味なく仕上がった、吉川醸造の自信作となっている。