2020年07月27日 09:06

毎日新聞社が発行する週刊点字新聞「点字毎日」は、7月26日号で通巻5000号を迎える。
「点字毎日」は創刊以来、毎日新聞大阪本社を拠点に発行。発刊の目的は、視覚障害者に「自ら読みうる新聞を提供し、新聞の文化的使命を徹底」すること。現在は日曜発行で、A4判60ページ。毎日新聞の点訳ではなく、障害福祉問題を中心に独自に取材、編集している。新聞社が発行する国内唯一の点字新聞で、第二次世界大戦や大震災、今回の新型コロナウイルスの危機でも休刊することなく、視覚障害のある読者に情報を伝えてきた。
5000号を記念して製作する29日の特集紙面では、1922年の創刊以来約1世紀にわたる歩みについて、上皇ご夫妻による視察やヘレン・ケラーさんの訪問など歴史を彩る数々の貴重な写真グラフと、点字と点字毎日にまつわる年表を軸に振り返る。新聞社が約1世紀にわたり点字新聞を発行し続けている例は世界にもない。視覚障害者と社会をつなぐ架け橋としての役割を果たしてきた点字毎日はその功績により、1963年に菊池寛賞を受賞。2018年には日本記者クラブ賞特別賞を贈られた。その授賞理由には「収益性よりも社会的弱者への貢献を優先した100年近い歩みは敬服に値する。ジャーナリズムの使命の広がりについても考えさせてくれた」とある。
今後も点字毎日は、当事者の声を社会に届け、より良い共生社会の実現に向け、前進を続けていく。