2020年07月15日 12:10

大和ハウス工業は、地震時の崩落リスクを低減できる耐震吊り天井「Dタフ天井」を開発した。

東日本大震災や熊本地震などの巨大地震では、多くの建物で柱や梁などの構造躯体だけでなく、天井などの非構造部材でも大きな被害がみられた。このうち、商業施設や事務所などの建物に多く採用される吊り天井では、クリップの離脱や部材変形などが崩落の原因となり、施設の継続使用が困難となったケースがみられた。そこで、同社は地震時の被害を抑えるために、吊り天井の崩落リスクを低減できる耐震吊り天井「Dタフ天井」を開発した。この天井は、建物の用途やユーザーの要望に応じて、特定天井タイプと地震対策タイプ、落下低減タイプの3タイプから提案できる。

特定天井タイプと地震対策タイプは、独自開発の専用補強金物と専用補強クリップを採用した。専用補強金物で天井仕上げ材と天井下地材やブレースとの接合を強化することで地震時に天井の揺れを抑制するとともに、専用補強クリップで野縁が野縁受けから離脱するリスクを低減する。落下低減タイプは、ブレースを設置しない従来工法の天井に、専用補強クリップを付加することで、野縁と野縁受けの接合を強化して、地震時の落下リスクを低減することができる天井だ。

3タイプすべての「Dタフ天井」において、大地震(震度7レベル)を想定した加振実験でも崩壊しないことを確認している。南海トラフ地震などの巨大地震の発生が懸念される中、同社では「Dタフ天井」を採用することで、有事の際の事業継続や早期復旧に配慮した、「安心・安全」な商業施設や事務所等の建物を提案していく。

大和ハウス工業