2020年04月01日 16:20

世界文化社が発行する「家庭画報」は、日本が世界に誇る「香川漆芸」とデンマークの陶磁器ブランド「ロイヤル コペンハーゲン」のコラボレーションを企画。「家庭画報5月号」(4月1日発売)誌上で、完成した茶箱2種を発表する。

高度な彫りと色の多彩さで知られる香川漆芸は、江戸時代後期に高松藩の庇護のもと発展。「蒟醤(きんま)」「存清(ぞんせい)」「彫漆(ちょうしつ)」という、特別な三技法を用いた香川漆芸の芸術的な品々は、将軍家や有力大名への進物の品としてしばしば用いられた。

一方、「ロイヤル コペンハーゲン」の歴史が幕を開けたのは、1775年。以来、240年以上にわたり、「ブルーフルーテッド」をはじめとする優美なテーブルウェアで人々を魅了している。中でも「フローラ ダニカ」は、デンマーク王室主催の晩餐会にも用いられている、ロイヤル コペンハーゲンの最高峰シリーズ。その230周年を記念して、日本を代表する伝統工芸・香川漆芸とのコラボレーションが「家庭画報5月号」の誌面で実現した。

今回制作されたのは、テーブルウェアを収納する茶箱2種類で、人間国宝の山下義人さんが監修、香川漆芸作家3名とともに制作した。山下義人さんが思い描いたのは子々孫々まで使える「末代物」の茶箱。「正倉院には、宝物を収め、持ち運ぶことの出来る立派な漆の箱がある。中のものを護り、百年先、二百年先にも残そうという箱。そんなものが作れたらと思いながら取り組んだ」と語った。