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2020年02月10日 17:07

大和ハウスグループのフジタは、タグチ工業と共同で、トンネル工事の際、坑内に設置しても広い作業スペースを確保できる中断面トンネル用「上下自在連続ベルトコンベア」を開発した。

近年の山岳トンネル工事では、トンネル施工延長の長距離化によりダンプによるズリ出し方式から連続ベルトコンベアによるズリ出し方式が一般的となっている。一方、大断面トンネルに比べ、坑内の作業スペースに限りがある中断面トンネルの場合、従来の連続ベルトコンベアは、坑内に搬送ベルトを固定配置するため、作業スペースが狭くなり、掘削や覆工作業の効率低下、施工機械の駐機スペースの確保が課題となっていた。

上下自在ベルコンは、掘削作業区間で搬送ベルトの位置を高所へ持ち上げる「上越しテールピース台車」と、高所での搬送ベルト設置を簡便化する「ブラケットフレーム」、覆工作業区間で搬送ベルトの位置を短いスパンで低所へ移設できる「カテナリーZ台車」で構成される。これらを連結させることで、掘削作業区間では、坑内の作業スペースを有効にでき、覆工作業区間では、上下自在ベルコン稼働中でも覆工作業が制限なく行える。

さらに、フレーム材の組み立て作業を簡素化したことで、搬送ベルト延伸の作業に大掛かりな延伸準備が不要となり、掘削作業を早期に再開することが可能となった。また、覆工区間の設備としてテレスコセントルとスライディングステージを併用することで、作業全体の生産性向上に寄与するとともに、トンネル断面の領域拡大につながる。