2025年09月29日 19:32

日本精工は、揚げ物調理等に使われる食用油の寿命を延長し、食品加工メーカー・飲食店などの食用油購入コスト削減に貢献する、ろ過機向け食用油劣化抑制フィルターの開発を2015年から推進していた。2024年夏以降、国内大手食品加工メーカー複数社への試験販売を進めていたが、この度、効果検証を終え、量産開発を完了した。
油の劣化を抑制する添加剤をフィルター内に付着(担持)させた仕様となっており、揚げかすなどの除去と同時に、食用油の劣化を抑制するフィルターの実用化は世界初。今後、さらなる性能向上にも取り組みつつ、ろ過機を持たないコンビニエンスストアやスーパーマーケット、弁当・惣菜店を含めた小売業などの顧客への導入検討などビジネスの拡大を目指す。
NSKは、現中期経営計画で「Bearings & Beyond」を掲げ、新商品・新事業の拡大に取り組んでいる。本製品は、NSKが軸受開発で培った潤滑剤の劣化抑制技術と、自動車パワートレイン向け摩擦材開発で培った抄紙技術を応用し、2015年から開発を開始。2022年には「FOOMA JAPAN」に出展し、市場ニーズ調査を実施。その結果、食用油の劣化抑制効果の向上や、油交換の作業効率化のニーズが高まっていることがわかった。これらのニーズを踏まえ、社内及び顧客での性能評価に基づき改良を重ねた結果、効果検証を終え、量産開発の完了に至った。