2025年09月26日 19:24

東京都とNTT東日本は、気候変動に左右されない漁業経営の実現に向け、「漁協運営型陸上養殖プロジェクト」の実行を目的とした基本協定を、9月26日に締結した。
本協定は、大消費地に近接した地の利を生かすとともに地域の活性化にも繋がる、東京ならではの陸上養殖モデルの構築をめざす取り組み。2025年度から2029年度の5カ年事業として、養殖施設・設備を整備したのち、漁協等の参画による水産物の実証生産を通して効率的な飼育条件等を獲得。養殖技術の向上を支援することにより東京型陸上養殖モデルの仕組みの検討を進める。
近年、気候変動の影響等により東京の漁業生産量は海面・内水面とも減少を続けている。とりわけ、今後の更なる水温上昇、渇水・ゲリラ豪雨等による濁水など、特に内水面養殖業における飼育環境の悪化が懸念されている。
このような問題に対応するため、東京都は「2050東京戦略」の一環として「持続可能な農林水産業の確立」を掲げており、主な施策の一つとして陸上養殖のビジネスモデル創出を目指している。
こうした状況の中、NTT東日本グループがもつICTを活用した閉鎖循環式陸上養殖プラント技術を有効利用することで、生産力を安定化。また、効率的な飼育ノウハウ獲得による事業採算性の向上、そして高齢者等にも配慮した労働環境を創出し、東京ならではの陸上養殖モデルを構築すべく、本協定の締結に至った。