2025年07月24日 15:30

アドベンチャーワールドは、ジャイアントパンダが食べ残した竹を再活用したアオリイカの産卵床プロジェクトにおいて、2025年シーズンも産卵が確認されたことを明らかにした。これにより、プロジェクト開始から4年連続の産卵成功となる。

また7月3日に、大阪府岸和田市の漁港で初めて産卵床を設置。この設置には、6月28日に中国へ帰国したパンダたちへ最後の食事として用意した竹の食べ残しが活用され、命のバトンが新たな舞台へとつながれた。

白浜の海では、近年の海水温の上昇や藻類を食べる魚の分布拡大により、アオリイカの産卵に適した海藻が減少している。一方、里山では放置竹林の増加が課題となっており、竹の管理と活用が求められている。アドベンチャーワールドでは、伐採した竹をジャイアントパンダの食事として利用してきたが、パンダは枝葉の一部しか食べないため、食べ残しが大量に発生する。その残った竹を束ねて海に沈め、アオリイカの産卵床や小型生物の生息基盤として再活用する取り組みを、2022年から実施してきた。

今後は、白浜町伊古木漁港に設置した30基、岸和田市漁港の21基それぞれの産卵状況と、付着する海藻類と生物の調査を継続的に実施する。また京都大学による環境DNA調査を実施し、設置前後で海の生物相がどう変化したのか、科学的に検証する。