2025年07月02日 19:41

QPS研究所は、7月2日、小型SAR衛星QPS-SAR11号機「ヤマツミ-I」の初画像(ファーストライト)として取得した試験観測画像を公開した。

「ヤマツミ-I」は、QPS研究所が北部九州を中心とした全国25 社以上のパートナー企業と共に開発・製造。米国ロケット・ラボ社のロケットElectron によって6月12日に打上げられ、約50分後に衛星分離に成功した。そしてその約35分後には初交信に成功し、同日の夜に収納型アンテナの展開を実行。その後、衛星機器の調整を続け、この度、取得した画像を公開する運びとなった。

QPS-SARは分解能1.8mの通常モード(ストリップマップモード)と分解能46cmの高精細モード(スポットライトモード)の観測が可能。7月1日から高精細モードで初観測を開始し、7月2日、11号機のファーストライト画像を発表した。

クローズアップ画像の1つは、Jリーグ「川崎フロンターレ」のホームスタジアムとして知られる等々力緑地内にある等々力陸上競技場。特徴的なかまぼこ型の屋根を捉えている。また山々に囲まれ、大きな天然港を中心とした長崎市全体も観測。西に稲佐山、中央に長崎県営野球場や平和公園、長崎駅を捉え、山の稜線、斜面に立ち並ぶ建物、港を行き交う船などを細かく確認できる。さらに西九州新幹線と長崎本線の終着駅である長崎駅の画像では、駅は膜屋根のため、電波が透過して中の鉄骨構造を捉えている。詳しくは同社ホームページのニュースへ。