2025年07月02日 12:58

サイフューズは、このたび同社独自の基盤技術の拡張により、新たな3D細胞製品を開発し、市場へ投入する。

現代社会における生活習慣病の一つである脂肪性肝炎は、過食、肥満、慢性的な運動不足、糖尿病や脂質異常症などが原因で引き起こされる。国内の罹患者数は200 万~300 万人(脂肪肝は約2000 万人)と推計されており、進行すると肝硬変や肝細胞がん等の重篤な疾患に至る危険性を有している。さらに全世界では成人人口の30%以上が罹患しているとも言われており、その有病率は肥満人口の増加とともに世界的に上昇の一途をたどっている。

脂肪性肝炎に対する新薬開発は喫緊の課題だが、新薬開発が難航する要因が、非臨床試験段階での適切な動物モデルの作製の困難さや、ヒトと動物の薬物応答性の相違。そのためヒト細胞で構成された新しい評価ツールの開発の需要が高まっている。

こうした中で、同社は、ヒト肝臓の機能の一部を体外で再現した「ヒト3D ミニ肝臓(R)」をアップデート。脂肪肝(肝臓に脂肪が蓄積した状態)から病態が進行した脂肪性肝炎(脂肪肝が悪化し、炎症や線維化を引き起こした状態)に至るまでの様々な疾患状態を、新たな3D 細胞製品として個別的に再現することに成功した。本製品は、組織・臓器の機能を再現するための特殊な細胞培養技術、そして、均質な製品製造のための品質評価技術を重畳的に応用することで誕生した、新たな機能性細胞デバイス(FCD(R))製品となる。