2025年06月26日 10:02

国立アイヌ民族博物館は、ベルリン国立博物館群民族学博物館と、アイヌ文化の振興と普及に寄与することを目的として、人材交流、共同調査研究、展覧会の開催等で協働するため、4月23日に連携協定を締結した。
両館が収蔵するアイヌ民族資料は、アイヌ民族の文化振興にとって極めて重要なもの。その取扱いに際しては先住民族アイヌの尊厳を尊重し、アイヌ文化に深い敬意を払うとともに、今後その継承者と協力しながら、両館の相互連携を進めていく。この連携協定の締結を記念し、国立アイヌ民族博物館第10回特別展示「開館5周年記念 ウィーン万国博覧会とアイヌ・コレクション」オープニングイベント記念講演会及び、連携協定締結披露を行う。
本連携協定の締結により、アイヌ民族の伝統文化が持つ新たな価値の発見や文化伝承への応用、共同研究成果の博物館展示を通じた社会還元など、双方の機関の特色と強みを活かした相互補完によって、調査研究や教育の一層の充実が期待される。特に、アイヌの歴史・文化に関する専門的知見を有する同館が共同研究に参画することは、ベルリン国立博物館群民族学博物館のコレクション情報の深化や研究・展示等の発展につながる。両館によるアイヌ資料の共同研究の推進は、海外コレクションの実態把握にとどまらず、日本国内におけるアイヌ資料の制作年代や制作地などの基礎情報の充実への寄与が期待でき、双方にとって意義深い連携事業となる。