2025年06月25日 12:42

経済産業省が推進する「J-Partnership(社会課題解決型国際共同開発事業)」において、Path Beingがザンビア共和国にて実施するバイオ炭プロジェクトが採択された。本事業では、現地で発生するアボカド加工残渣などを原料とし、土壌改良とカーボンクレジット創出の両立を目指した実証を行う。
ザンビアの農業現場では、長年の栽培による土壌の有機物減少に加え、気候変動に伴う降雨パターンの不安定化などにより、作物収量の低下と安定生産の困難化が深刻な課題となっている。特に、化学肥料の高騰が農家の経営を圧迫し、持続可能な農業の実現が困難な状況。
Path Beingは、こうした農業課題の解決策として、ザンビアの農産物加工企業Luano Honeyと連携し、現地で発生するアボカドの搾汁繊維残渣などを活用したバイオ炭の製造・供給を開始する。
本プロジェクトでは、アフリカの農村部でも導入可能な電力負荷の小さい中型・可搬型の産業用炭化装置を用いることで、信頼性と生産性を両立したバイオ炭生産体制を構築。製造されたバイオ炭は、Luano Honeyが有する農家ネットワークを通じて安価で農家の手に届きやすい土壌改良材として供給され、現地での施用方法の確立や効果検証も同時に進めていく。
将来的には、地域の農業生産性向上と土壌再生、そして脱炭素の同時実現を目指し、他のアフリカ諸国へのモデル展開を視野に入れている。