2025年04月30日 15:52

アクプランタはこのほど、「石橋果樹園」(佐賀市)と、温州ミカンを対象にしたスキーポンの実証実験を開始する。「スキーポン」は、酢酸(酢の主成分)の作用を活用した農業資材。酢酸の作用で植物の乾燥や高温への耐性を高めることで、収量や品質の維持、節水に繋げる。

「石橋果樹園」は初代から数えて100年以上の歴史を持つ果樹園で、現在は10haほどの敷地で温州ミカンを栽培している。5年ほど前から独自の販路を開拓し、現在は国内のスーパー向けに販売しているほか、海外でも香港・シンガポールなどへの輸出も手がけるなど、精力的に事業を展開中。

一方、ここ数年最高気温が38℃を超える日があるなど、低地での栽培が難しくなってきているなか、昨シーズンには高温障害が起き、ミカンの生産量が激減。農園が始まって以来、最低の収量となってしまった。高温下でもミカンの生産を続けたいと、このたびのスキーポンの実証実験に協力する。今シーズンは同農園の50aの圃場を3つの区画に分け、根の周辺や葉面にスキーポン試験を実施する予定。5月ごろには1回目の処理が行われる予定で進めている。

アクプランタでは、他にもカキやリンゴ、ブドウ、イチジクなど、果樹を対象にしたスキーポンの実証試験の事例が今年から本格的に増えてきた。高温・乾燥に強い果樹の栽培にスキーポンが役に立つよう、引き続き適用事例の拡大に力を入れたいと考える。