2024年09月02日 12:50

明治大学の宮下芳明研究室は、脂質ゼロの油、および、脂質・糖類ゼロのクリームを生成する「Virtual Oil Generator」「Virtual Cream Generator」を発表する。

宮下研究室はこれまで、複数の味溶液を混合し様々な味を提示する味覚メディアを開発してきた。2023年は、20タンクを0.02ml単位で混合し、10の60乗通りの味の組み合わせが出力できる調味装置「TTTV3」を発表。2024年はこの味覚メディアを発展させ「食感」も制御することによって、従来では難しかった、油やクリームの表現を可能にした。

「Virtual Oil Generator」は、口に残る食感や粘性、脂質感をイヌリン(水溶性食物繊維)で調整し、滑らかさを低強度寒天で調整。それにより脂質を全く使用せずに、油の食感を口内でもたらしている。この溶液をTTTV3に搭載することで、5種類のブランドのオリーブオイルを表現して出力できる。

一方、「Virtual Cream Generator」はゲル化や気泡をゼラチンで調整し、粘性をサイリウムで調整することによって、クリームの食感を口内にもたらしている。特定のメーカーのカスタードクリームに食感や口どけの良さを合わせることが可能。さらに、甘味の調整には糖類ではない甘味料を用いることで、脂質も糖類もゼロのカスタードクリームやホイップクリームが生成される。卵も牛乳も不要であるため、アレルギーのある人でも安心して食べることができる。