2025年06月13日 15:48

大林組とアイシンは共同で、大林組技術研究所(東京都清瀬市)にてペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始した。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大は必要不可欠であり、太陽光発電は主力電源として期待されている。太陽光発電においてはシリコンを主要材料にした太陽電池が従前から使用されているが、設置スペースの確保や高効率な発電の両立が難しい。また、平担で日照条件の良好な土地が限られる日本では、設置場所に制約がある。
こうした課題を解決する技術として、ヨウ素を主要材料とし、軽量・柔軟・薄型といった特長をもつペロブスカイト太陽電池が注目されている。ペロブスカイト太陽電池は、建物の壁面や耐荷重に制限がある屋根など、シリコン太陽電池では設置が難しい場所にも適用できる。またヨウ素が日本国内でも調達が可能で、製造工程が少なく、大量生産による低コスト化も期待されている。一方で、ペロブスカイト太陽電池は、シリコン太陽電池に比べた発電効率や耐久性など克服すべき課題も。
今回、大林組とアイシンはペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて、「容易に交換できる工法」と「発電量を最大化する設置方法」の開発と検証を目的とした実証実験を開始した。両社は本実証で得られる知見をもとに、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化に向けた技術開発を推進。さまざまな建設物への適用を視野に研究を進め、再生可能エネルギーの導入拡大とカーボンニュートラル実現に貢献する。