2024年04月17日 12:52

愛知県安城市を拠点とするデザイン会社であるD-WEBERは、岐阜県関市の刀職人達と共に、日本刀「濃州堂 零式」(非売品)を誕生させた。この壮大なプロジェクトは、関市の濃州堂との出会いによって実現した。
かつては武具として圧倒的な存在だった日本刀は、現代では嗜好品や芸術品としても高い需要がある。それに応えるために、「濃州堂 零式」は新たなる姿を追求した。デザインには深い意味が込められており、戦わない日本として、永遠に受け継がれる工芸であることの意味を込め、円の形が完全性と調和の象徴となり、究極の美を表現している。
刀職人と機械加工職人、両者が協力して、伝統工芸の職人不足に立ち向かうための解決策を示すことも「濃州堂 零式」の使命だった。機械加工を積極的に導入しながらも、一品としての魅力を残し、伝統と革新を見事に融合させる方法を追求した。
当初は刀身を機械加工によって作り上げることを想定していたが、刀匠たちは自身の職人技で刀身を完成させた。円弧の刀身を鍛冶と研ぎのみで再現することは困難と言われていたが、見事に実現。機械加工職人も大変優れた技術を持っており、その素晴らしいテクニックは、「鎺(はばき)」「鍔(つば)」「柄(つか)」に活かされた。
情熱と意欲が結実し一年を費やして誕生した「濃州堂 零式」は、現在、岐阜県関市「せきてらす」で展示中。