2024年04月08日 15:29

住宅建材メーカーである城東テクノは、3Dプリンタ用ポリプロピレン「JIZAI」を開発した。ポリプロピレンは産業的には最も広く使用される汎用樹脂の一つであり、3Dプリンタで使用したいニーズはあったが、その使用は限られていた。その主な原因は、造形物の大きな反りであり、造形が失敗しやすくなり、仕上がった造形物が歪んだものになる。
「JIZAI」は従来の3Dプリンタ用ポリプロピレンよりも、造形物の反りを大幅に抑制できる。特に、角のある形状や大型造形物など、これまでポリプロピレンでは反りが大きすぎて諦めていた形状でも、「JIZAI」なら造形可能。
また「JIZAI」は適度な強度と柔軟性を併せ持った新素材。そのため、例えばヒンジ構造のような強度と柔軟性が必要なパーツを試作として造形し、その使用感を検証確認できる。現在広く使用されるPLAはヒンジのような柔軟性が必要な部分は割れてしまって使用できないが、「JIZAI」なら繰り返し曲げても割れない試作品が作成できる。
さらに「JIZAI」は酸、アルカリ、有機溶剤など幅広い薬品に耐性があり、薬品を入れるアプリケーションや、薬品が触れる部品などに安心して使用できる。この性質は、現在広く使用されているABSにはない性質であり、「JIZAI」により3Dプリンタ造形物の使用範囲は広がると考えられている。現在無償でサンプルを提供中。詳しくはこちら。