2024年04月02日 15:34

AZUL Energyらの研究グループは、マグネシウム空気電池を、資源豊富な紙・マグネシウム・炭素をベースにレアメタルフリーかつ安全なAZUL触媒を使用して作製。1.8Vの電圧、100mW/cm2以上の高出力、968.2Wh/kg (Mg)の高容量を実現した。
参加しているのは、同社他、東北大学材料科学高等研究所の藪浩教授、電力中央研究所の小野新平上席研究員、Amphico Ltd。この電池は環境にやさしい素材で構成されており、中性の電解液である塩水などに浸すことで発電することができる。そのため、非常用電源やウェアラブル端末への適用が可能。
紙の表面に正極を形成し、反対側に亜鉛負極を配置する「金属空気紙電池」はこれまでも報告されていた。しかし、電圧や出力が不足(一般的な単三乾電池の電圧1.5Vに劣る、出力が µW/cm2 レベルなど)しており、実用に耐えるものではなかった。本研究では、マグネシウム空気電池を、資源豊富なマグネシウム、紙、炭素をベースに、レアメタルフリーかつ安全なAZUL触媒を使用して作製した。
この電池は、ほとんど自然に還る材料で作られておりながら、1.8Vの電圧、100mW/cm2以上の高出力、968.2Wh/kg (Mg)の高容量という、高性能化を実現している。同社では今後も金属空気電池の充放電対応や二次電池化に取り組み、さまざまなエネルギーニーズを満たすアプリケーションへの導入を通じて、豊かで持続的な社会の実現に貢献していく。