2024年03月21日 15:19

シャープは同社のプラズマクラスター技術について、静岡大学農学部 一家崇志 准教授および山下寛人 助教との共同研究により、植物の生育を促進するメカニズムを検証。その結果、プラズマクラスター技術が植物の初期生育促進に寄与していることを初めて確認した。

プラズマクラスター技術は、自然界に存在するものと同じ正イオンと負イオンを利用した空気浄化技術。同社はプラズマクラスター技術が植物の生育にも有益となる可能性に着目し、検証を進めた結果、2016年にプラズマクラスター技術がレタスの生育を促進することを実証している。今回の実証では、その効果の背景となる、プラズマクラスターイオンが寄与する植物の生育促進メカニズムを確認するため、全遺伝情報が判明しているイネを用いた研究を実施した。

その結果、播種直後からプラズマクラスターイオンを直接照射した場合は、初期生育における芽が送風のみの場合と比較して最大約4倍に長くなっていた。さらに、その生育促進メカニズムとして、エネルギー生成を指示する働き(遺伝子発現)が最大約3倍に増えていることを確認。以上のことから、プラズマクラスターイオンを照射することで、植物の初期生育を促進できることが示唆された。

今回の成果は、近年、持続可能な食料生産性の向上が世界的な課題となる中で、プラズマクラスター技術がその解決に向けた新たな一助となる可能性を示すものとなる。