2023年09月13日 19:18

JEPLANは、使用済衣類のさらなる循環を目指して、混紡繊維ほか異素材が含まれる繊維製品(混紡繊維等)を、熱分解ガス化により再資源化する実証を、9月から開始する。日立造船の協力を得て、混紡繊維の熱分解ガス化の実証を北九州響灘工場にて実施。循環を実現するためには段階的な実証が必要となるが、最終的には、使用済衣類から得られたガスを再生ポリエステルの原料として利用することを目指す。

世界における繊維製品の繊維to繊維リサイクル率は1%未満にすぎない。しかもこの数字には工場廃棄品が含まれているため、消費者が使用した後の使用済衣類の繊維to繊維のリサイクル率はさらに低い。ポリエステル等の単一素材であればリサイクルが可能な技術はあるものの、現在のアパレル業界においては、混紡繊維等の様々な混率の素材が製品に使用されていることがリサイクルを困難にしている。

本実証事業では、混紡繊維等の再資源化を段階的に進めることを予定している。第一段階として、混紡繊維からの熱分解ガス化をベンチスケールの装置で検討。次に第二段階として、得られたガスを北九州響灘工場にて熱利用することを検討。そして第三段階では、更に得られたガスを化学原料に変換して、テレフタル酸を生成し、同工場の再生ポリエステルの原料にすることを想定しており、混紡繊維から再度消費者が手にする繊維製品を作ることを目指す。