2023年06月14日 09:03

温故知新は、「瀬戸内リトリート青凪 by温故知新」において、ヒートポンプを導入した省エネ効果により、コロナ前と比較して年間で30%のCO2を削減した。

当ホテルは、世界的建築家・安藤忠雄さん建築による、1998年に美術館兼ゲストハウスとして建てられたデザイナーズホテル。天井高も高く、大きな窓から瀬戸内海を眺められるつくりが特徴だ。天候により情景が刻々と変化する反面、室内の温度も天候に左右され変化する。館内随所に設計者のこだわりがあり、設計者の思いを崩すことなく設備の更新をしようと長年試みていたが、設備更新はなかなか困難な状態だった。

これまで、冷暖房機器は重油ボイラーによるものをメインに使用。冷暖房の切替は外部専門業者へ依頼し切替作業を行なっていた。2021年秋より環境省の助成金を活用し、重油ボイラーを入替え、ヒートポンプ機器を新たに導入した。その結果、冷暖房の切替作業の作業費用をカット。加えて、2022年度の実績値を基準期間と比較したところ、宿泊人数は約5%増加したにもかかわらず、重油使用量は86%削減し、CO2排出量も30%削減を実現した。*基準期間は、コロナ前からの2017年4月~2020年3月の平均値。

日々の運用が便利になったことで、天候や外気温の変化に合わせて冷暖房の切替えができるようになり、利用者の要望に寄り添った対応ができるようになった。そして、なにより、リアルタイムで製造熱量をはじめとした様々な状況が見える化したことで、「より効率的なエネルギーの使い方ができないか」と従業員1人1人が意識するようになった。