2025年07月22日 12:41

前田工繊は、獣害対策用特殊樹脂ネット「イノシカスライダー」を発売する。
同社は、1972年の設立以来、インフラの整備・維持に携わる会社として、土木資材の製造・販売ならびに各種繊維を原料とした産業資材および不織布の製造・加工・販売を行うことで業容を拡大してきた。
「イノシカスライダー」は、独自の特殊成型技術により、高い表面滑性を実現した樹脂ネット。鹿や猪は移動に適した硬い蹄を持つが、「イノシカスライダー」の滑りやすい表面形状により、蹄を持つ偶蹄目動物の侵入を抑制することができる(忌避原理:①イノシカスライダーに足を乗せる、②滑るので進めない、③あきらめて引き返す)。
軽量で柔軟性がある樹脂ネットは、製品をアンカーで地面に固定するだけで施工完了。設置場所に合わせてカットもしやすく、構造物まわりの調整も簡単だ。また、獣害対策用製品に多い簡易フェンスでは、積雪などの外的要因で変形する恐れもある。従来のフェンスや電気柵と異なり、「イノシカスライダー」は積雪や落石にも強く、変形しにくい構造であるため、設置後の維持管理が容易となる。
「イノシカスライダー」は、現場の状況や獣害の課題に応じて柔軟に活用できる。特に傾斜地で効果が期待できる。また、鹿や猪が現地に自生する草木を食べてしまうことで、草木が葉や根を張ることによる土壌保持力がなくなり、雨水で土壌が流れやすくなると、土砂崩れなどの災害を招く。「イノシカスライダー」は、法面緑化に影響を及ぼす獣害から植生を保護し、強く安定した土壌づくりに貢献する。