2023年06月07日 10:09

童心社は、絵本「おきにいりのしろいドレスをきてレストランにいきました」を5月31日に刊行した。
絵本のあらすじはこちら。女の子がお気に入りの白いドレスを着て、レストランに行くと、白いドレスにケチャップが、ぽとっ……。「ががががーん」それを見たママは「げげげげーん!」ママを見たパパは「ぞぞぞぞーん!」女の子のショックはあかちゃんにも、ウェイターさんにも、テーブルの上のパンにもビンにもコーンにも伝わって、町中のみんなを巻きこんでの大騒ぎに!
第10回絵本テキスト大賞を受賞作である本作は、「ががががーん」など、ほぼ擬音だけの文章で、登場人物の連鎖する驚きの感情を描写している絵本。実験的ながら、発想の自由さや奇想天外さ、女の子の心情を元に展開されるストーリーが評価され、絵本テキスト大賞受賞が決まった作品だ。女の子のショックがレストランをとびだし、街全体へと広がっていく……。説明文のない擬音だけのテキストからナンセンスで奇想天外な世界を、画家・高畠那生さんが巧みに描き出している。
一見、擬音だけで描かれたナンセンス絵本に見える本作。お話が生まれるきっかけとなったのは、作者の渡辺朋さんが、子どもが小さなころ、擬音で話す遊びをしていたことから。ちょっと残念なことがあったとき、それは「ががががーんだったね」と話していたことが、この絵本の原型になっている。感情に直接うったえかける擬音だからこそ面白さも直に伝わる。おはなし会で盛り上がることまちがいなしの一冊だ。
定価は1650円(税込)。発売日は5月31日。