2023年03月09日 12:57

桐蔭学園は、「桐蔭学園 鉄道研究部」作製のジオラマ上で、「ペロブスカイト太陽電池」の発電で動く鉄道模型(Nゲージ)を走らせることに成功した。

本電池は、ノーベル賞候補である本学園・桐蔭横浜大学特任教授 宮坂力さんが開発した、次世代エネルギー。Nゲージを駆動させるには同電池を量産する必要があり、桐蔭横浜大学の学生・大学院生が協力して、同電池を約40枚製作。桐蔭学園の高大連携の取組となった。

「ペロブスカイト太陽電池」は、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造の材料を用いた新しいタイプの太陽電池。アメリカ国立再生可能エネルギー研究所の最新データでは、シリコン太陽電池に匹敵する高い変換効率(25.8%)が報告されている。ペロブスカイト膜は、スピンコート法やインクジェット法といった印刷技術で作製されるため、既存の太陽電池よりも低いコストで製造できる。

さらに、フレキシブルで軽量な太陽電池が実現でき、建造物の曲面や垂直面といったシリコン太陽電池では困難なところにも設置することが可能。そのため土地の少ない都市部への太陽電池の導入に弾みがつくと期待されている。さらに、シリコン太陽電池と異なり、曇天や雨天時、さらに、室内光のような弱い光のもとでも、発電が可能。そのため、屋内で使う様々な環境センサーやIoT機器に導入することで、省エネにも大きく貢献することが期待されている。