2023年02月28日 18:52

順天堂大学、グローリー、日本IBMは、認知機能推定AIを金融取引業務で活用する、日本初の「金融商品適合性チェック支援AIアプリ」を共同開発した。

認知や判断などの能力は加齢と共に低下する傾向があり、金融商品取引においては、その影響を配慮したサービスが課題となっている。また、業界団体のガイドラインにおいても、記憶力・理解力等の認知機能等に応じた顧客対応について言及されるようになった。

こうした状況に対応していくため、2018年から順天堂大学は、累計600症例以上にわたる認知症を始めとした脳神経疾患患者や健常者への臨床試験を実施。その結果を元に、会話や表情から脳の認知機能レベルを推定するAIを共同開発してきた。そしてこの度、認知機能推定AIを活用した、金融商品取引業務の支援に特化した「金融商品適合性チェック支援AIアプリ」を構築した。

本AIアプリでは、タブレットで撮影した表情とAIとの会話から、認知機能を推定し、金融商品の適合性判断を支援するための参考情報「脳の健康度」として提示する。音声・表情といった自然に取得可能なデータをインプットとするため、短時間で負担を掛けることなく、状態の可視化ができる。また、「認知症か否か」を判断するものではなく、認知機能を15段階で、段階別(グラデーション)測定が可能。

3月1日より、三菱UFJ信託銀行でパイロット運用を開始する。今後、本AIアプリを他の金融機関に展開していくことも検討していく。