2022年03月31日 19:00

慶應義塾大学病院、中部電力およびメディカルデータカードは、慶應義塾大学病院の糖尿病・肥満症外来で使用するオンライン診療システムを、日本メドトロニックのケアリンクシステムと連携できるよう拡充。1型糖尿病などの治療のため、持続グルコースモニタリング機能搭載インスリンポンプ療法(SAP療法)を使用する患者に対するオンライン診療を開始した。
SAP療法は、距離・頻度など通院時の患者の負担感に加え、専門医が不在のエリアでは受診が困難という課題があった。また、ケアリンクシステムでデータを閲覧するためには、医療現場において短い診察時間でデータの管理や確認作業に労力を要する。今回、RPA技術を活用し、中部電力クラウドが連携するメディカルデータカードのMeDaCaシステムを介してレポートを一元的に画面上に表示する仕組みを構築した。
これにより、患者の集約された自己測定データに加え、SAPから得られる24時間の持続グルコースデータ・インスリン投与量を併せて閲覧することが可能に。これらの正確なデータを閲覧しながら、テレビ電話機能により遠隔地や医療過疎地に住む患者にも、対面と同等のクオリティの医療が可能となる。
このデータの一元化による利便性の向上により、医師の業務効率の向上とストレスが軽減。また、SAP療法使用の中心となる1型糖尿病患者は社会で活躍する若い人が多く、通院頻度が削減される事で、仕事や生活への影響を軽減し、社会経済効果も期待される。