2022年02月08日 13:04

ライトライトが運営するクラウド継業プラットフォーム「relay(リレイ)」は、福岡県福岡市の活版印刷会社「文林堂」の後継者を募集開始した。
「relay」は、事業を譲りたい経営者と、事業を譲り受けたい候補者をマッチングさせるサービス。従来のM&Aマッチングサイトと異なり、どんな想いで企業や店舗を運営してきたか、オーナーの横顔を含めた想いを記事化し、後継者を公募するという特徴がある。
デザインや書物が好きな人から、今も根強く人気がある活版印刷。福岡市地下鉄空港線六本松駅から徒歩5分ほどの場所にある「文林堂」は、活版印刷を50年近く続けている印刷会社だ。活版印刷とは、鉛でできた活字を組み合わせて組版を作成し、そこにインキをつけて紙を載せて上から圧力をかけることで、紙にインキを転写する印刷法。組版を押し当てる形でインキを付けるため、紙の凹凸を肌で感じることができる。そこには、手作業で制作した味わいや顧客への想いが込められている。店主の山田善之さんは、人の手が加わった味わい深い活版印刷の事業を引き継いでくれる人を募集している。
活版印刷は手作業のため時間がかかり、一度にたくさんの仕事を受注できない。しかし、「文林堂」という伝統のある名前や場所、機材の引き継ぎが可能。別の用途としても活用可能だが、山田さんとしては活版印刷を続けて欲しいそうで、サポートも惜しまないと言う。時代と共に印刷の技術が効率化されていく中で、活版印刷が残って欲しいという思いが残る山田さん。譲り受ける人の考えを最大限尊重して、その中で活版印刷を残す道を探している。