2022年02月02日 15:37

三菱重工グループの三菱造船は、世界初となるCCUSを目的とした液化CO2船舶輸送の実証試験船の建造契約を、山友汽船との間で締結した。三菱重工下関造船所江浦工場における建造を開始し、完成および引渡しは2023年度後半の予定。

食品用途で用いられるLCO2を輸送する船舶は、これまで欧州、日本で建造および運用されてきた実績がある。一方、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)を目的としたLCO2輸送船の建造は世界初となる見込み。

CO2を回収して転換利用や貯留を行うCCUSは、カーボンニュートラル社会を実現するための有効な手段として注目されている。CO2の排出地と貯留地・活用地が離れていることが多いことから、CO2を安全かつ低コストで輸送する手段として、LCO2船は将来的な需要の拡大が期待されている。

三菱造船は、これまで液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)建造で培った知見や高度なガスハンドリング技術などを活用。本船に搭載される舶用タンクシステムを含む本船の設計から建造までを一貫して担う。

世界初のCCUSを目的としたLCO2船の建造の経験を生かし、同社グループが戦略的に取り組むエナジートランジションの事業強化につなげる。それとともに、従来より取り組んできたCCUSバリューチェーン構築に必要なLCO2船に関する各種技術の開発および提供に引き続き尽力。CO2エコシステムの構築に貢献する。