2022年01月12日 09:40

日本財団は、1月11日、無人運航船の開発実証プロジェクト「MEGURI2040」において、世界初となる小型観光船の無人運航による実証実験を横須賀市猿島にて行い、航行に成功した。

海の事故の減少、海運の人手不足の解消など、様々な課題の解決に繋がるものとして期待されている「無人運航船」。さらには、ICTやAI、画像解析技術をはじめ、日本が世界的に高いレベルを持つ技術を活かすことができる「未来の産業」として期待され、研究・開発が進められている。日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2020年2月より5つのコンソーシアム(複数の民間企業体)と共同で、無人運航船の開発に取り組んできた。これまで開発を進めてきた様々な船種の無人運航船は、1月から3月にかけて、5つすべてのコンソーシアムで実証実験を行う。

今回初めて実証実験に成功したのは、5つのコンソーシアムのうちの1つ、無人運航船@横須賀市猿島プロジェクト。現在、日本国内には旅客船が約2000隻あり、離島との交通手段などとして利用されている。しかし、国内旅客船の船員は2000年以降、約1万人から約7000人と、20年間で3割減少しており、船員不足と船員一人当たりの負担増加が課題となっている。今回の一連の技術開発と実証実験の成功により、無人運航技術の小型船への転用が可能となり、将来的には船員不足の解消に貢献することが期待される。

日本財団